【『汚れた天使』上映会】

―スクリーンの彼方に―
唐十郎の劇空間は、いつも彼方を目指す。
紅テントのエンディングを観た者ならば、誰もがあのエンディングを知っているはずだ。

そしてここに、一本のフィルムがある。
製作されたときより公衆の目に触れることなく、じっと公開の時を待っていた秘蔵の一本。
ここでも、彼方を志向する唐十郎の手つきは健在だ。

スクリーンの中から発し、スクリーンを突き破ろうとする意志と鮮やかな手腕。
日常はいつの時代も閉鎖的であり、堅牢だ。
しかし、唐十郎とともにある限り、非日常への扉はいつでも開かれている。
それをさし示す究極の映像作品。


【日程】11月19日(土)、20日(日)
【時間】18:45開場 / 19:00開演
【場所】横浜シネマ・ジャック&ベティ
【料金】前売1,200円 / 当日1,500円

     

※ゲストトークあり
  19日(土): 林海象、 望月六郎
  20日(日): 唐十郎 ほか





『汚れた天使』とは

1973年に関西テレビ制作でつくられながら、「意味不明」「お茶の間にそぐわない」という理由で放送が中止された唐十郎監督の作品で、「木枯らし紋次郎」の後、市川崑総監督、中村敦夫主演という社会派ドラマシリーズの一作である。

放送中止に抗議した唐、中村、脚本の石堂淑郎らは、それを支持した製作会社からラッシュで作ったフィルムを勝手に持ち出して、全国七か所で自主上映会を行ったという幻の作品。



トークゲスト紹介

林海象(はやし かいぞう)

映画監督・映画プロデューサー・脚本家。
1996年『海ほおずき The Breath』で唐十郎とコラボレーションをし、
日本人女子大生の台湾失踪事件をベースにした日本=台湾合作の幻想ミステリーを描いた。
この作品は、唐十郎が脚本を書き下ろし、自ら主演を務めた。
現在、株式会社映像探偵社代表取締役社長、京都造形芸術大学芸術学部映画学科教授・学科長。


望月六郎(もちづき ろくろう)

映画監督。
在学中より状況劇場に足繁く通い、
1996年に監督・脚本を務めた『新・極道記者 逃げ馬伝説』に唐十郎が出演。
2006年、自身が脚本・演出を務める劇団「DOGA DOGA+(plus)」を旗揚げ。
浅草を拠点に精力的な活動を行なっている。



上映会場について

シネマ・ジャック&ベティ
横浜黄金町に残る2スクリーンのミニシアター。
横浜で唯一の“名画座”である「ジャック」と、ミニシアター作品を上映する「ベティ」
という2つのスクリーンを有する映画館。
トークショーや舞台挨拶などのイベントや、ユニークな企画上映もおこなう。
映画好きにはたまらない多彩なラインナップが魅力的。